国立科学博物館の企画展にて川上准教授考案のタンパク質分子模型「川上モデル」が展示される


2021年7月13日から10月3日まで、国立科学博物館にて、企画展「加速器-とてつもなく大きな実験施設で宇宙と物質と生命の謎に挑んでみた-」が開催されています。

展示では、高エネルギー加速器の実際のようすや発展の歴史、そして研究成果が実際に我々にどのように役に立っているのか、宇宙の謎、物質の謎、生命の謎をさぐる最先端研究例や、身近なところで利用されている研究成果例までわかりやすく紹介されています。

今回、この生命の謎をさぐる最先端研究の成果の例として、実際に加速器を用いてその立体構造が明らかにされたタンパク質の模型が展示されます。この模型の製作技術に、本学の川上准教授が考案した3Dプリンタを用いた手法が採択され、透明で美しい模型が多数展示されることになりました。

 

企画展名: 加速器-とてつもなく大きな実験施設で宇宙と物質と生命の謎に挑んでみた-

開催期間: 2021年7月13日(火)~ 10月3日(日)

開催場所: 国立科学博物館(東京・上野公園)

主  催: 国立科学博物館、高エネルギー加速器研究機構、日本原子力研究開発機構

 

詳細は下記URLをご確認ください。

https://www.kahaku.go.jp/event/2021/07accelerator/

 

  • 「川上モデル」について

生命現象の理解のためには、タンパク質の機能を知る必要があります。機能を理解するためには、タンパク質分子の立体構造を「正確に、深く」把握することが大切です。しかしタンパク質の構造は非常に複雑で、それを理解することは非常に困難です。

一方で、模型は、構造を深く理解するのに役立つ事は明らかで、古くから有機化学の教材等で用いられてきました。しかしタンパク質のような非常に複雑で入り組んだ構造の模型製作はこれまでほとんど行われていませんでした。

川上准教授は、フルカラー3D印刷技術を駆使し、全く新しい分子模型「川上モデル」を考案しました。

本技術は論文化、特許化、製品化され、すでに多くの研究者、研究施設、企業での利用が進んでいます。

 

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展示用に新たに製作された川上モデルの例[所蔵:高エネルギー加速器研究機構/製作:(株)スタジオミダス/技術監修:川上勝(山形大学)/写真提供:(株)スタジオミダス]

 

  • 企画展「加速器 -とてつもなく大きな実験施設で宇宙と物質と生命の謎に挑んでみた-」について

加速器とは、原子よりも小さな粒子を人工的に加速する施設で、物質の成り立ち、根源を調べたり、宇宙の起源を調べたり、物質の構造を詳しく調べたりするまた物質のさまざまな研究や分析をおこなうことができます。

今回開かれる企画展では、大型加速器施設の実際のようすや発展の歴史などが紹介されるとともに、加速器を用いた最先端研究の紹介、また身近なところで利用されている研究成果などがわかりやすく紹介されます。

加速器を利用した研究として、タンパク質の構造を詳しく調べるという分野があります。加速器から出される非常に強く、明るい光(放射光)を利用することで、それまで困難だったタンパク質の構造の解析が大いに進みました。その研究成果の紹介として、解明された複雑な構造を持つタンパク質の模型を展示することになり、監修者の一人である片岡幹雄 奈良先端科学技術大学院大学名誉教授、高エネルギー加速器研究機構ダイヤモンドフェローからの依頼を受けて、沢山のタンパク質の分子模型(川上モデル)が製作、展示されることになりました。

最新の3Dプリント技術によって、従来の方法では製作できなかった分子模型という製品の開発と普及が進みました。そして今回、博物館という場でそれが広く使われることによって、科学リテラシーの向上に貢献できることを期待します。

 

どうぞよろしくお願いいたします。